1610年
ガリレオ衛星の観測と発見

ガリレオ衛星とは木星の周りを回る65個の衛星の中で、特に巨大な「イオ」「エウロパ」「ガニメデ」「カリスト」の4つの衛星のこと。イオ(3643.2 km)エウロパ(3138 km)ガニメデ(5262.4km)カリスト(4820.6km)と、地球の月(3474km)と同レベルかそれ以上の衛星です(ガニメデは水星よりも大きい)。
ガリレオは、1610年1月7日に初めて観測を行って発見し、数日間観測した結果、木星の周りを回っていることを確信しました。彼の発見は、コペルニクスの地動説を裏付けることになり、実際の観測結果が教義(天動説:全ての天体が地球の周りを回っている)を覆すことになる嚆矢となりました。
ドイツのシモン・マリウスは、自分の方が先に観測していたと主張しますが、ドイツがユリウス暦で12月29日だったためで、グレゴリオ暦では1月8日となり、実際にはマリウスの方が、1日遅かったことになります。ただ、衛星の名称はマリウスが提案した神話の登場人物、イオ(ゼウスが見初めて手を出したイーオー)、エウロパ(テュロスの王女エウローペー:「ヨーロッパ」の語源)、ガニメデ(美少年ガニュメーデース。ガニメデは地名なので女性形)、カリスト(ニンフのカリストー)が採用されました。ガリレオは「メディチ家の星Ⅰ~Ⅳ」、ジョヴァンニ・バティスタ・オディエルナは、メディチ家4兄弟にちなんで「プリンキファルス」「ヴィクティファルス」「コスミファルス」「フェルディナンディファルス」と命名しています。パトロンである王や貴族に気を使うのは当時よくある慣習でした。
中国では、古代斉の占星術師の甘徳が、紀元前364年に木星のそばに暗い星があることを記録しているので、これがガリレオ衛星だとしています(ガリレオ衛星自体の明るさは、肉眼でも目が良く観測条件が良ければ何とか見えるレベルですが、木星の方が明るいので困難です)。
NASAの木星探査機はガリレオと命名されました。

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